手の届かないキミと


ガラガラガラッ―――――!


けたたましく、教室のドアを開ける音。

その大きな音に驚いて、ぱっとドアのほうを見ると


「西村?今日はずいぶん早いな」

走ってきたのか、肩で息をする西村くんがいた。


「ハァッ…まぁな。」

「なんだ、宿題やってないとかか?」

「宿題?はっ、そんなのあってもやんねーよ」


西村くんは机の上に乱暴にリュックを置くと、「おはよう」と私を見てあいさつをしてくれた。


「お、おはよう」

西村くんは、変わらない。

根拠なんかないけど、そう思えて、心強くなった。

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