手の届かないキミと
「おーっす、西村!」
「朝からうるせーな、多田」
「お前なんだよ、今朝はやけに早えーじゃん。」
「目が覚めたんだよ。お前こそなんだよ」
「俺は朝練だって。」
西村くんのお友達が登校してきて、ふとさっきまで近くにいた村山くんを探してみるけど…
私が西村くんと下らないやり取りをしてる間に、どこかへ行ってしまったみたい。
ふぅっと肩の荷が下りたような、そんな不思議な感じがした。
だんだんに人が集まってくる教室で、私は透明な空気のようだ。
誰も、気に留めることはない…