手の届かないキミと


廊下は走っちゃいけないって、小学校で習った。

高校2年にもなって、こんなにも全力で廊下を走ることになるなんてね。

他人の迷惑も顧みずに、廊下をまっすぐに駆け抜ける私に、道を譲る。


頬に伝う涙を手の甲で拭いながら

ただ、心の赴くままに走って、走って、


私がたどり着いたのは屋上だった。

べたかもしれないけど…ここ以外に思いつく場所がなかった。


空き教室の存在もちらり頭をよぎったけど…

授業をサボるなら、断然屋上な気がした。


って、私…授業サボるの?

自分で自分の考えていることがよくわからない。

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