手の届かないキミと


でも、いま教室に戻れって言われても…

戻りたくない。戻れないよ。


私は屋上で日陰を見つけ、そこにごろんと横になった。

すぅーっと大きく息を吸い込んで、はぁーっとまた大きく息を吐く。


屋上を過ぎる風は、少し熱っぽい。


空に昇る太陽を見て、ハルくんの笑顔を思い出す。

太陽みたいな、まぶしい笑顔のハルくんを思い出す。


私は、彼に伝えることができたのだろうか…

私の気持ちは、彼に伝わったの…?


もしだめだったとしても…私はもうこれ以上を望まない。

住んでいる世界がちがうんだ。

わかってもらえなくても、仕方ないのかもしれない…

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