手の届かないキミと
「いっ…た……!」
さっきのチャイムは1時間目の終わりの合図で…
私は50分間、屋上で寝てしまってたんだ。
くらくらする頭を押さえて、私はなんとか立ち上がった。
足がよろめくけど、ぐっと力を込めて、校内へのドアを目指す。
これは、きっと、熱中症だ…
自分でもわかる。
いくら日陰とはいえ、そこに無防備に寝ていればこんなことになることくらい予想がつく。
早く校内で涼まないと…
校内と屋上を遮るドアを開け、階下へと続く階段を手すりにつかまりながら降りる。