手の届かないキミと


階段の下の廊下で、生徒がはしゃいでいるのが見える。

授業は終わってるし、ここまでくれば誰か親切な人が、私に気づいて保健室まで連れていってくれるかも…


そう思い、少し安堵した私は、

ふらり、身体が下に落ちていくのがわかった。


あ…

と思ったけど…頭がぼーっとしていて、よく覚えていない。



ただ…

階段に打ち付けられるかと思った身体は、誰かに寄って支えられた。


誰だろう…

私を助けてくれたひとは……


咄嗟にハルくんを思ってしまったのは、前に助けてくれたのが、ハルくんだったから。

…だったから、だ……。

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