手の届かないキミと



―――…ぼんやりしていた頭が、徐々にはっきりしてきて、

耳を澄ませてみると…


西村くん?…西村くんの声がする。

それからドアの開く音がして…


ゆっくりと重い瞼を持ち上げ、周りの様子と見てみると、

真っ白なカーテンと真っ白な布団。


それからベッドサイドには、やっぱり西村くんがいる。

後姿だけど、西村くん。


カーテンの外にいる誰かと話をしてるみたいだ…


「にし…むらく…」

私の声にぴくりと反応して、西村くんがこちらを振り返る。


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