手の届かないキミと


「黒岩って、彼氏の扱い雑すぎ。

多田はお前の召使いじゃねーんだからさ」


西村くんの言葉で私の頭に浮かんだ疑問は解決された。

多田くん、黒岩さんとうまくいったんだね…?


語尾に疑問符がついてしまうことは否めないが、でも、それでもうまくいったみたい。



「でも、古畑さん…本当にごめんね。」

黒岩さんが、泣きそうな顔になる。


「古畑さんのことよくわかってないくせに、

ひとりぼっちにしちゃって、ごめんね。」

あまりにもつらそうに謝ってくれるから、私は首を横に振った。


「だ、いじょうぶ、だから…」

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