手の届かないキミと


「「え?」」

と私と黒岩さんの声が重なった。


「そうやってはっきりしないから、ハルも怒るんだよ」

ハルくん…

私は、ハルくんに嫌われてるからなあ…。

そう思って、胸が痛くなる。


「ハルはお前が思ってるより真っ直ぐなやつだからな」

西村くんはむすっとした顔になる。


そこに騒がしさとともに、私の荷物を抱えた多田くんが登場した。

「黒岩ちゃん!持ってきたよ!」


…多田くんには悪いけど、忠実な飼い犬みたいだと思ってしまった。

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