手の届かないキミと


見え見えに弱気になる多田くんを見て、みんなで笑う。

カップルなのに、かかあ天下なんだなって思った。


友達…か。

もしかしたら私、初めてちゃんとできた友達かもしれない…。


「そういえば、西村くんさ、

どうして村山くんの裏のこと知ってたの?」

「そうだな、どうしてだ?」

ナナと多田くんに見つめられて、西村くんには珍しく、顔が赤くなってる…!

いつも陽気だったり、でもふとしたときにすっごく真剣な顔で話しかけてきたり…

そんな二面性はある西村くんのこの顔は、初めて見る。


「…取られたんだよ。」

「えー?」

「もっとハキハキ話せよ。古畑じゃねーんだから」

「あ、多田くんそれアキの悪口」

「ご、ごめん…」

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