手の届かないキミと



『あたしはリョウがすき!』


俺が告白した相手はそう言うと、隣で砂のお城をつくっていたヤツのほっぺをつかみ、

自分のほうに向かせ、ぶっちゅーっと熱いキスをお見舞いした。


子どもながらにも酷く傷ついたのを覚えてる。



幼い頃から、俺はよくいとこのリョウの家に遊びに行っていた。

リョウの近所には西村さんっていう、リョウんちと仲が良い家があって、そこの家には姉弟がいた。


その姉弟とリョウはよく遊んでいて、リョウんちに遊びに来た俺もいっしょになってよく遊んでた。

姉のミチルはリョウと同い年で、弟のほうのサトルは俺と同い年。


そして俺の初恋の相手こそ、…ミチルだ。

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