手の届かないキミと


中学に上がる頃には、俺はミチルのことふっ切れてたし、好きな子だってできた。

運が良いことに、その子から告白されて、付き合うことにもなった。



だから、別にミチルへの気持ちを切れなかったとか、そんなんじゃない。

俺が遊ぶようになったのは、ミチルが関係してるわけじゃない。


だけどアイツら姉弟は、そう思ってんだろうな…。

遊び人と呼ばれるようになった俺に、よくお節介してくる。


ミチルにうるさくなんか言われたときに、

『じゃあミチル、俺と付き合う?』って聞いたけど、

『これだから遊び人は!』って、

俺の頭を容赦なくぶっ叩いてきたのはどこのどいつだか。


そう聞くなら、普通『いいよ』とか言って付き合うだろ。


…まあ、別に、俺、ミチルに特別な想いはなかったし、そう言われても困ったんだけどさ。

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