手の届かないキミと
そう言った俺に、菊谷は鼻で笑った。
『まぁいいや。歓迎しよう、杉浦くん。
泳げるものなら、存分に泳いでくれ』
プールは体育館の裏にあるから
そう言った菊谷を部室に残し、俺はプールを目指した。
けど、そこに広がっていたのは…
は?ふざけんな。
いくら屋外プールだからといってもひどすぎる。
さびれたプールがそこにあった。
これ、去年使ったのかよ?
てゆうか水がノロでまじでみどり…
カナヅチと不登校のヤロウ、絶対に幽霊部員じゃん。
まあそんな気はしてたけどさ…。