手の届かないキミと


はあ、なんだよ…

こんなエセ教師、まともに相手にするほうがバカだと思う。

そうは思いながらも、なぜか俺は菊谷のところに通っていた。

泳ぐわけでもなく、ただぼーっと話してるだけ。

プールの掃除はしてねーし、市営プールの年間パスをもらいにいくのも面倒だったし…

てかまず、年パス買える部費がこの水泳部にあるのかって話だけど。


あるとき菊谷が、今日は部室じゃなくて俺の拠点で部会やるとかいうから、

俺は放課後、教室棟とは別棟の2階ににある社会科準備室に足を運んでいた。


『なんだよ、いつもは呼び出しなんかしねーのに』


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