手の届かないキミと
…バカだろ、ずっと屋上にいたのかよ。
真っ赤な顔は照れたとか恥ずかしいとか感情からくるものじゃない。
手すりに寄りかかりながら、おぼつかない足取りで階段を降りようとする古畑に近づこうとしたとき
ふらりと古畑が身を投げ出した。
『…っぶね。』
古畑の腕を引っ張って抱き寄せると、『ハルくん…』と小さな声で俺を呼ぶ。
それが無意識かなんかわからない。
けど抱き締めた古畑の身体は、沸騰したみたいに熱い。
『ハルっ…!』
俺を追いかけて来たのか、階下からサトルが来るのが見えた。