手の届かないキミと


ちらり、隣の多田くんの向こうを見る。

そこにはハルくんがいて…

昨日までの怖い雰囲気を纏っていない彼に、話しかけて楽しそうに談笑する女の子もいる。

それに対して、ハルくんも少し笑ったりしてる。


やっぱり…昨日の私の告白なんて、ハルくんにとってはなんてことないことなのだ。

最初から、私なんかがハルくんの相手にされるわけないってわかってた。

それに、辛いし苦しいけど、遊びだっていいとも思ってたんだ。

…いまさら、どうこう嘆こうなんて思ってない。


ただ、ハルくんに…

私は本当にハルくんのことが好きなんだよって、知ってもらいたかっただけ。

それだけなんだ…。

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