手の届かないキミと
久しぶりに見る、ハルくんの笑顔。
ハルくんが、私を見て笑いかけてくれている。
ただでさえ歌う緊張で高鳴っていた心臓が、さらにばくんばくんと大きな音を立てて鳴る。
どうしよう、私…
やっぱりハルくんのこと、好きだ。
好きが溢れて、止まらなくなる。
「アキ~よかったよ~」
歌が終わると、ナナが私に抱き付いてくる。
ぽけーっと惚けてる私を、歌い終わって脱力してると勘違いしたナナは、
「アキの歌よかったよね~」なんて、クラスの子たちに確認するように話しかけてる。