手の届かないキミと


「だからそれはないって」とハルくんに否定される。


「俺がお前のこと気になったの、高1の秋にお前が保健室のベッドで寝てるとき」

それならいっしょのときだ!って思ったのに、

「でも俺はそれより前からお前のこと気になってた」って言うんだ。


「いつ…?」

「お下げ頭ひとりで緑になったプールを掃除してるとき。」


それって、かなり前のこと…

この高校に入学したての頃のことだ。

…別の言い方をすれば、私が担任に使われ始めたころ。



「俺の愛の深さ、わかった?」

コクリうなづく私を満足げに見て、でも不服そうな顔になる。

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