手の届かないキミと


ヘアゴムをつけた私を見て、陽はニコッと笑ってくれた。


「かわいい。閉じ込めちゃいたいくらい」

「へ?」

「てゆうかいっそのこと、抱き枕にして寝たい…」

結局は、眠いだけじゃん…。


学校が近づいてきて、手を繋いでいるのが恥ずかしくなって、

陽から逃れようとしたけれど、許してくれなかった。


陽は遊び人で、学年一モテる。

この学校で彼のことを知らないひとはいないだろう。


そんな彼とちんちくりんで不釣り合いな私が

仲良く手を繋いで登校してるんだ、注目されないわけがない。

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