手の届かないキミと
それでも手を繋いだまま、隣同士の席についた私たちを
不思議な目で見るクラスの目は拭われない。
ナナもその大きな瞳をさらに大きく見開いている。
「あの…」
陽くん、そろそろ手を放してくれませんか
そう言いかけたとき、陽がクラスみんなに聞こえるように声を張り上げた。
「あーみんな、ごめん。俺と亜季の痴話喧嘩にクラスのみんなまで巻き込んじゃって…」
痴話喧嘩?なに、なになに?
いきなり陽は何を言い出すのか。クラスのみんなも目が点になっていることだろう。
「でもこの通り、仲直りしたし、ラブラブだから、もう心配いらないから。」
そう言った陽は私の右頬に、チュウっとキスをひとつ落とした。