眼鏡男子の脳内デフラグ

春を感じるあなたと同期したら

僕まで春になった気がしました



「……お見舞い来るな、なんて言わないで」

………


「メールも電話も元気なフリするのやめて」

………

「一人で文化祭に行くとか、もうしないで」

………

「もっと」


「もっと、我が儘でいいんだよ」

………


「誤魔化さないで、ちゃんと、自分を見て」





……そうか


眼鏡で見なくてはいけないのは

―自分だったのか



“あたしが泣くのは、本当に痛みが分かった時だけ”



彼女の泣いた理由は

自分のためでなく

僕のためだったのか



……そう、か





「あと、」




「あと、もっとキスして」







「……承知しました」




あなたの望みのままに

僕の望みのままに




“仲良しのしるし”をして



互いを引き寄せて


「……あなたを永久保存します」

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