眼鏡男子の脳内デフラグ

…………ペラ……

…………………





「あっきやまくーん!!」

何事だ!?


「辞書ってさーどこにあるのーー?」


見れば彼女は大音量で僕の名を呼び
おまけに走ってる


なっ!


慌てて彼女の元へ行き、口を押さえた


「ーんんー~~」

「静かに」


彼女が頷いたので手を離した

真っ赤な顔してる


……文句でも言いたげな顔だな

だが


「松井さんはもっと周りを見渡せる方だと思っていましたが、僕の思い過ごしだったようですね」


「え…」


「大声をあげ、ましてや走るなんて」

「…………」


「これが一般生徒ならば、多少は目をつぶります。
しかし、あなたは手伝うと言いました」

「…………」


「勉強してる方もいるんですよ?」

「…………」


「最低限のルールも守れない方に手伝いはお願いできません」

彼女の手元の冊子を奪った


「お帰りください。周りの方の迷惑です」

それだけ言ってカウンターに戻った



まったく、手のかかる…

「ねえ」

見ればカウンター越しに彼女がいた


「…まだいたのですか?」


するとバッと、カウンターに置いた冊子を持ち

「コレはあたしのだから!!」と言って図書室から出ていった





………

その取扱説明書は図書室のものですが…

別に、使い方は知ってるからいらないけれど


……あの子といると疲れる




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