眼鏡男子の脳内デフラグ


ーーー結局


同じ電車に乗っている


「秋山くんは毎朝何時の電車に乗っているの?」

「………………」



「こらっ!人の話はちゃんと聞かないといけないんだぞ」

「……聞いてますよ」


「返事がなーい!」

「すみません」


ヒョコっと本を覗いてきた

……………

「邪魔です」

「なんの本?」


「あなたの大好きな恋愛小説ですよ」

「えっ。秋山くんもそういうの読むんだ?」


「ただし」

「?」


「時代設定が現代ではありません」

「いつの話?」


「明治時代です」

「へえ」


「この頃はね、今よりも不自由な恋愛だったんです」

「ふーん。縛り恋愛ってことだね?」


は?

「縛り恋愛とは何ですか?」

「ほら、身分差とかさ。王子と庶民みたいな」


なるほど


「なかなか、分かってるじゃないですか」

「そっち系は割りと得意なんだ」


へえ
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