眼鏡男子の脳内デフラグ
「やっほ、秋山くん」
「…こんにちは」
まだ暑さが残るのにしばらくすれば冬服になる季節
「あのさ、コレ借りたいんだけど」
「…カードの提示をお願いします」
横にある機械を見ながら話す
「ない」
「紛失ですか?」
「あー、来たのが初めてなんだよね」
ああ、そういうことですか
「では、こちらの用紙に必要事項の記入をお願いします」と紙を1枚手渡した
「ん」
……確か、同じクラスの子だったはず。見た事がある
興味がないから名前を知らない
「書けたよ」
「少々お待ちください」と言って
横にある端末に情報を入力した
「1冊でよろしいですか?」
「うん」
「では2週間以内にご返却下さい」と本を渡した
さて、さっきの続きを読みますか
「ねえ」
「……何かご不明な点でもありますか?」
「…一学期は、図書委員じゃなかったよね?」
はい?
「それが何か?」
「別にっ」
それだけ言って女子生徒は去って行った