眼鏡男子の脳内デフラグ
プログラムの追加
***
松井桜子に話しかけられ
図書室に乱入されるようになってから3週間ほどが経過した。
すっかり冬服になった
「秋山くん!」
「ね、他に面白い本ない?」
「あきやまぐ~ん、コレすごい泣ける~」
相変わらずである
カウンター内にいるのは電磁波女とCPU男
ちなみにCPUとは、コンピュータを構成する部品の一つで
各装置の制御やデータの計算、加工を行う装置である
プログラムに従ってデータの処理を行う
もし、彼女の扱いに困ったら
“松井桜子”という名のフォルダを開いて対処法を調べればよい
「すみません」と声がした
「はい」
「この本ってシリーズですか?」
「ああ、それは……」
…………――
「ちょっと、ちょっと秋山くん」
「はい?」
「まさかとは思うけどココにある本を
全部読んだの?」
「そんなまさか」
「ふーん…」
「ね、次に人が来たらさ、あたしが応対していい?」
「…どうぞ」