眼鏡男子の脳内デフラグ
……どうしようか
何が違うのか、見当もつかない
「服装がきょうは私服です」
「はずれ」
「髪型ですか?」
「それも、ちょっとあるけど違う」
「あー…いつもより謙虚なつもりとか?」
「なにそれ?全然違うよ」
だよな
「ちょっと、この問題難しくないですか?」
「秋山くんは、いつだってどんな問題も解くじゃない」
そうだけど
「ヒントをお願いします」
「仕方ないなあ」
すると松井桜子は僕に近づいてきた
「……近いです」
「近づいてるの」
思わず視線を外した
「こらっ!ちゃんと見て」と再び僕の頬を両手で挟んで
無理やり顔を見せられた
彼女の顔が近すぎて、逆によく見えない
もっと正確に説明すると
顔の全体ではなくパーツが見える