眼鏡男子の脳内デフラグ

……どうしようか

何が違うのか、見当もつかない


「服装がきょうは私服です」

「はずれ」



「髪型ですか?」

「それも、ちょっとあるけど違う」



「あー…いつもより謙虚なつもりとか?」

「なにそれ?全然違うよ」

だよな



「ちょっと、この問題難しくないですか?」

「秋山くんは、いつだってどんな問題も解くじゃない」

そうだけど



「ヒントをお願いします」

「仕方ないなあ」



すると松井桜子は僕に近づいてきた


「……近いです」

「近づいてるの」


思わず視線を外した



「こらっ!ちゃんと見て」と再び僕の頬を両手で挟んで
無理やり顔を見せられた


彼女の顔が近すぎて、逆によく見えない

もっと正確に説明すると

顔の全体ではなくパーツが見える

< 30 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop