眼鏡男子の脳内デフラグ


「あ」


分かった…かも

彼女の唇を人差し指でなぞる


指がほんのりピンク色になった


「化粧ですね?」

「あたり」


「気づくの遅いよ~」

分かるか



指はまだピンク色

………………ペロ


「秋山くん!?何をしてるの!?」

「え?」


「なに、舐めてるの!?」


だって

「人体に害はないんですよね?」

「そういう問題じゃなくて!」


なんなんだ

「どんな味かなと思いまして」

「もー信じられない」


はあ?


「味しませんね」

「…一応、さくらんぼ味なんだけど」

ふーん


「どれ?」ともう一度、唇を指でなぞって舐めてみた


「…やっぱり味がしませんね。
その商品大丈夫なんですか?」

「……………」

ん?


「どうかしました?何をボーっとしてるんです?」

「別にっ!ほら、早く作業するよ」


……自分で中断させたくせに


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