眼鏡男子の脳内デフラグ

ーーコンビニ内


「松井さん、決まりました?」

さっきからずっとお菓子コーナーで悩んでいる


「ちょっと待って」

…………さっきから、そればっかりですが


「んー。よし、コレにした!」とチョコレートのお菓子を手にとった


僕はそのお菓子をひょいっと取り上げた


「あっ!返してよ」

「一緒に買いますから」


レジを済ませてお菓子を渡した


「はい。どうぞ」

「あ、ちょっと待ってね。お財布だすから」


「いりません」

「え?」


フッとなぜか笑いがこぼれた

「そんな気分なんです。
休日出勤のご褒美とでも思ってください」


「あ、ありがとう」

「どういたしまして」



2人で学校まで戻る

ああ、すっかり秋だな



「いい風だね」

「ええ」



「今日の風は秋山くんみたい」

……………この子の言うことは、たまによく分からない。いや日常茶飯事か


「すみません。もっと具体的な説明をお願いします」


するとフフといつものように笑って
「今日の秋山くんは優しい」

「………それじゃいつも優しくないみたいじゃないですか」


「いつもは、もっと意地悪だもーん」と言って走って行ってしまった



………失礼な人ですね。そんなことないですよ?


走っていってしまった彼女に追いつけることができず
もどかしくなった




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