眼鏡男子の脳内デフラグ
午後になった
「僕が本を運びますので、松井さんは棚にしまってください」
「りょーかいです」
「では、始めましょう」
「りょーかいです」
あ、そうだ
「決して無理をしてはいけませんよ?」
「りょーかいです」
ひたすら本を運ぶ作業
ああ、重い…
やはり台車を買うべきか
――チクッ
思わず、胸をおさえた
ああ、クソッ
床に座った
少しだけ、少しだけ休もう
………………………
休めば落ち着くから
………………
突然、ガタンと音がした
え??と思った次の瞬間
「助けてーーー!!!」
何事だ!!??
慌てて駆け付ける
彼女は棚の一番上の部分を手で持ち、床に足はついておらず、ぶら下がっていた
「ちょっ!」
急いで駆け寄って彼女を助けた
「一体なにをして……」
彼女の服に引っかかっていたのだろうか、脚立が倒れそうになった
「危なっ!!」
脚立を押さえて彼女を座らせる