眼鏡男子の脳内デフラグ


彼女が自販機に行っている間に

今まで作業していた場所を簡単に片付けた



「…秋山くん」

「何ですか?」


「お茶とコーヒーどっちがいい?」

「では、コーヒーで」と答えたら


スッとコーヒーを出しながら

「……ごめんなさい」と、小さな声で言った



とてもじゃないが

「怒ってませんよ?」


そんな気にはなれず


なぜか彼女の行動に微笑ましさを感じてしまい



「無理はしないと約束してくださいね」と

声をかければ

また、微笑している自分がいて



やっぱり彼女からは


春の匂いがした
< 39 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop