眼鏡男子の脳内デフラグ


コンコン

わざとノックしてから扉を開けた


二人の注意を惹きつける必要がありますからね




「あ、秋山くん!」

「まだ、かかりそうですか?」



「もう、終わるよ!ね、野口くん?」

「ああ」


野口とやらがジロジロと見てきます
まあ、当然の結果ですが


「なんで、お前私服なの?」

「ワケありでして」



「松井に用事あるなら今済ませろよ」

「約束がありまして」


うーん。敵意むき出しですね



「秋山くん!お待たせ!帰ろう!」と彼女がバッグを持ったので

「では失礼します」と後ろを向いたら



「松井!来週もやるぞ」

「ええーそんなに話すことないじゃん」


…………松井さん、あなたの攻撃が一番すごいですね



「あるんだよ!」


ふむ。そうきましたか


ならば


「僕も何かお手伝いしましょうか?」

「はあ!?」


「同じクラスですし、出来る限りのことはします」


……この台詞は、野口と松井さんが
二人揃ってはじめて効果がある言葉のはず


「そうしよう!決まり~!
じゃあ野口くん、また来週ねー」


ほらね


「では、来週に」とだけ言って教室を出た
< 60 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop