眼鏡男子の脳内デフラグ
コンコン
わざとノックしてから扉を開けた
二人の注意を惹きつける必要がありますからね
「あ、秋山くん!」
「まだ、かかりそうですか?」
「もう、終わるよ!ね、野口くん?」
「ああ」
野口とやらがジロジロと見てきます
まあ、当然の結果ですが
「なんで、お前私服なの?」
「ワケありでして」
「松井に用事あるなら今済ませろよ」
「約束がありまして」
うーん。敵意むき出しですね
「秋山くん!お待たせ!帰ろう!」と彼女がバッグを持ったので
「では失礼します」と後ろを向いたら
「松井!来週もやるぞ」
「ええーそんなに話すことないじゃん」
…………松井さん、あなたの攻撃が一番すごいですね
「あるんだよ!」
ふむ。そうきましたか
ならば
「僕も何かお手伝いしましょうか?」
「はあ!?」
「同じクラスですし、出来る限りのことはします」
……この台詞は、野口と松井さんが
二人揃ってはじめて効果がある言葉のはず
「そうしよう!決まり~!
じゃあ野口くん、また来週ねー」
ほらね
「では、来週に」とだけ言って教室を出た