眼鏡男子の脳内デフラグ

少し、少しだけ

休めば治まるはず



「……あき、やまくん……?」


斜め前に彼女がいた


……僕としたことが、気づかなかった



「……どうかした…?」


扉に鍵をしめておけば良かった




何でもない、と
大したことない、と

言いたいのだけれど


「……誰か呼んだ方がいいよね?」


首を振るのが精一杯で

「保健室いく?」


ああ、情けない




「……平気、ですから」と、絞り出した


「でも!」





………見られたくなかった



こんなにも

脆い自分を
弱い自分を


見せたくありませんでした

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