眼鏡男子の脳内デフラグ
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月日というものは
自分の気分次第で
遅くもなり、速くもなる
本当は同じ速さなのに
ここ数日の野口の動きはおとなしい
ー良かった
いつもなら、図書室で彼女を待つけれど
今日は早めに扉に鍵をかけて
教室へ向かった
彼女しかいなかった
「一人ですか?」
「あ、秋山くん」
色とりどりの画用紙やマジックペン
整頓されていない机
へえ、準備ってこんな感じなのか
「もう、片付けだけだから皆には帰ってもらったの」
「そうですか」
何かあれば、図書室に来るように言ったのに
一人で頑張ろうとするのは
あなたの長所でもあり、短所でもあります
「手伝います」と言ってしばらく二人で片付けた
「図書室は?いいの?」
「……ええ」
「松井さん、文化祭の案内の冊子ってありますか?」
「え?あるけど?」
「1部、先に頂いても構わないですか?」
「うん……」