眼鏡男子の脳内デフラグ


「そ、っか……」

「「………………………」」


困ります。このような沈黙は苦手です


だから、窓を見ました



「……お見舞い、行ってもいい?」

それは………


「いいよね?」



もしも

あの真っ白な部屋で

あなたの顔を毎日見ることができたら



できたら

どんなに






「来ないでください」

「…どうして?」



小さな、小さな、

「僕の我儘です」


ちっぽけな、つまらないプライド




あなたの前で見せたくない

たった、それだけの

小さなプライド



「………わ、かった…行かないよ……」



どうか

どうか

勘違いしないでほしい



「メールしますね」

「電話は大丈夫なの?」


「普段は切ってますけど、頑張って抜け出します」

「うん!絶対ね!」





プライドを守ることと

甘えることは

違うということを




「約束します。松井さんも委員を頑張ってくださいね」




あなたが嫌いで

拒否した訳ではないということを




「……うん」



本当は

あなたに

傍にいてほしいことを











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