眼鏡男子の脳内デフラグ
――
「返却しますっ」
「…はい」
「図書室も慣れるといい場所だねえ」
あの…
「なぜ、僕の隣に座るのですか?」
「いいじゃない」
そうだった。彼女には必要以上の説明が必要だった
「ここはカウンター内ですよ?」
「そうだよ?」
だから
「松井さんは図書委員じゃないですよね?」
「うん」
…………もう、いいや。面倒だ
「ね、なんで一学期は図書委員じゃなかったの?」
また、その質問…
「別に」
「ねーなんで?」
しつこい…
ふう、と息をついた
「僕は図書委員ではありません」
「は?意味が分かんないよ」
「司書さんの産休代理です」
「??」
もう、この子の理解能力の足りなさは何?
「しばらくは、毎日図書室にいる。ということです」
「ああ、そうなんだ~」
あー疲れる
「あたし、手伝う」
は?
「何をです?」
「だから、司書さんの仕事を手伝う」
………………
「ご遠慮します」
「ダメだよ。もう決めたもん」
この子は耳がないんですか?
「で?何からやればいいの?」
………ああ、前途多難