眼鏡男子の脳内デフラグ
「また、そんな顔して」
「……………………」
もう、仕方ないですね
「松井さんがいるから今日は一人じゃないですよ?」
「…………………」
「一緒に、文化祭を回ってくれますか?」
「……うん」
彼女は
嬉しいこととか
楽しいこととかはすぐに態度に出るくせに
ちょっと悲しかったり
ちょっとどうしていいか分からないと黙る
「では、評判の良かったダンスを見ますかね」
スクリーンに映るのは舞台の上で踊る生徒たち
飛んだり跳ねたり、回ったり
“あんな風に自由に動けたら”と、昔は羨ましくて仕方なかったけれど
もう、すっかり慣れました
「どこ、見てるの?」
え?
「……なにを、見てるの?」
「ダンス、を、見てますけど…?」
な、んだ……?