コンビニ砦の戦い(仮題)
それでも三川君は反論する。
「太ってるのは、体質もあるんですよ。太ってるから何をやっても駄目だし、だけどそれが僕なんですよ。
それに急に走ると膝とか足の調子が悪くなります。」
「お前の体質は知らんよ。ここに居たかったら体力をつけろ。最初は歩く事から始めれば良いよ。
この状況で生き残るには、まず体力だ。」
山本さんは、冷静だが突き放した言い方をした。
「そんなに生き残りたくないですよ。」
三川君がそう言った瞬間山本さんの蹴りが三川君の腹に強烈に入る。
「それなら俺が蹴って殴って殺してやろうか。
簡単に生き残りたくないとか言うなよ。」
山本さんがもう一度蹴ると三川君はうずくまりながら涙を流しながら謝った。
三川君はそれから少しずつ歩き始めたようだ。
今宮君が何か起こった時の用心棒も兼ねて一緒に歩いたが、二人は全く会話をしてないようだった。
僕は、山本さんを横暴だとは思わなかった。
生き残るって事はそういう事なのだと納得していた。
我々は異常な状況に置かれてるのだ。
「何だかんだ言っても山本さんが正解なのかなとも思う。三川君は甘えすぎ。」
井上ちゃんが呟いた。