コンビニ砦の戦い(仮題)
「動きがある!!こっちに来てる!!」
樋口さんが大声で皆に知らせた。
見張りは色々な順番にされてて今は樋口さんと井上さんだった。
前なら考えられない組み合わせだが、二人は上手くやっていた。
今宮君は三川君の首根っこを掴むと走ってコンビニの中に投げ込むように入れ自分自身は弓の準備をした。
「まずい!!こと美ちゃんが山に行ってる!!内田君こと美ちゃんの所に行け!!」
こと美ちゃんが山に一人で山菜を採りに行ってるようだった。
一人行動は原則禁止なのだが、こと美ちゃんがたまに一人で山菜を採りに行く事は何となく見逃していたのだ。
僕は弓を持ったまま山に急いだ。
裏の山に入ると大声でこと美ちゃんを呼ぶが返事がない。
僕は山の中に入って行きながらこと美ちゃんを呼んだ。
「あ!内田さんアケビが熟してますよ。」
こと美ちゃんの呑気な声が聞こえて来てほっとしながら声の方を見ると木の上の方に登っていた。
「敵が来たからとにかく降りて戻ろう。」
こと美ちゃんにそう言うとさすがに驚いて木からゆっくり降り始めた。