コンビニ砦の戦い(仮題)
その間にもコンビニの方から争っている声や音が聞こえて来る。
僕は焦っていてこと美ちゃんに強い調子で怒ってしまう。
「一人での行動はヤバイだろう!」
「ご免なさい。アケビが熟したのを皆に食べさせたくて…」
僕はこと美ちゃんの一生懸命さに迂闊に怒った自分自身が情けなくなり謝った。
二人で急いで戻ろうとしているとビュッっという音ともに近くの木にカツンと矢が刺さった。
僕はこと美ちゃんに近くの大きめの木に伏せるように言いながら自分も体制を低くして弓を握りしめた。
僕の頭の上を矢が音を立てて通った。
思わず座り込んでしまい、なかなか立てなかった。
足が震えているのが分かるが心の中で自分自身を叱咤する。
女の子一人も守れなくて何が男だ!!こと美ちゃんだけは死んでも守ってやる!!
心の声とは裏腹に弓を持つ手も小刻みに震えている。
僕は片方の手で何度も震えている手を叩いた。
「内田さん大丈夫。」
こと美ちゃんが木の方から話しかけてきた。