コンビニ砦の戦い(仮題)
井上ちゃん
塹壕を掘ると夕暮れになっていた。
皆で集まって簡単な食事を摂りながら話し合った。
塹壕に誰と誰が入って何時から何時までそのチームが見張りをするかが主な話しだったが、ほとんど山本さんが有無を言わさず決めてしまった。
塹壕に入るチームは山本さんと三川君、今宮君と樋口さんとこと美ちゃん、僕と井上ちゃんだった。
今宮君と山本さんは二人で半分ずつ眠る事にして全体を見回る役もするようだ。
「貴方が決めるのは良いけど、体力的に今無理をし過ぎて大丈夫なの?
自分自身では認めたくなくても中年よ。」
樋口さんが、山本さんにそういうと山本さんが笑いながら下半身は中学生だぜと答えた。
しかし、薄暗い中で山本さんの顔を見ると疲れが貼り付いてしまいスニーカーに間違って踏んだガムのようにそれは取れにくそうだった。
今宮君が助け船出した。
「そういう部分は僕がフォローしますから僕は人間ではないですし普通ではないから。」
今宮君は微笑みながら言ったが何だか色んな意味で痛々しく感じたのは僕だけではなかっただろう。
「今宮君は前のように人と違う力を使ったら一気に疲れが来ないの?」
こと美ちゃんが今宮君を心配そうに見ながら聞いた。