コンビニ砦の戦い(仮題)
耐えろ
今宮君は何時もと変わらないスッキリした表情をして僕らを起こすと缶コーヒーを渡してくれた。
僕も井上ちゃんも今宮君に礼を言うと変わった事はないか聞いた。
今宮君は変わりはないけど変わりがないのが不気味かもと言うと塹壕を出ていった。
缶コーヒーをじっくり飲みながら確かにそうだなと考えてると横で井上ちゃんが、煙草に火をつけ吸いながら缶コーヒーも段々貴重になるねと呟いた。
井上ちゃんも樋口さんも煙草を辞めたかと思うと時々吸ってるようだった。
僕も同じで時々吸っていたが、缶コーヒーを飲むと堪らなくなり井上ちゃんに一本頂戴と言って貰った。
暗がりの中で二人の煙草の火だけが、明るく赤く見えた。
その時ドスンドスンと地面に何か落ちる音で慌てて缶コーヒーを飲むと塹壕から頭をそっと出した。
暗くて状況は掴めないが何か落ちて来た音のようだった。
山本さんが、走ってきて僕達の塹壕に潜りこんだ。
「ゲツジンだと思うが多分威嚇してるだろうと思う。
こっちの位置が分かりにくいのかそれとも向こうの戦力が少ないのか分からないが、とにかく今はこちらから動くな。」
そういうと塹壕を出ながら二人を見てニヤリと笑った。