コンビニ砦の戦い(仮題)
そうは言われても死にたくなかった。
僕は自分自身が今宮君や山本さんと違って随分意気地無しだなと嫌になった。
今宮君が出ていくと井上ちゃんが、笑いながら話した。
「今宮君とか山本さんは異常よ。普通は怖いのが当たり前なんだから。
今宮君も山本さんも本当は怖いのかもよ。だけど、やらなきゃいけないって思ってるのだと思うよ。
内田君もその立場になったらやると思うし先陣をきろうかと言った時はかっこ良かったよ。好きになりそうになったよ。」
井上ちゃんが、笑いながら言った。
確かに立場によってやらなきゃいけないって気持ちになるのかも知れないが、今宮君は特別な力が有るからまだ分かるが、山本さんの頑張りは果たして自分自身があの立場であそこまで出来るのだろうかと思わせた。
多分年長なのと元々ああいう気質なのだろうが、皆がフォローしないといけないなと思えた。
七時半まで後二十分ほどだった。僕達は動きにくいのでリュックを頭から下ろした。
井上ちゃんが、煙草を吸うのを一本また貰ってゆっくり味わった。
井上ちゃんの目付きも変わってきていた。
多分僕の目付きも変わっているのだろう。
二人は無言でゆっくり煙草を吸った。