コンビニ砦の戦い(仮題)

その時こと美ちゃんのキャー!!という声が林から聞こえてきた。


山本さんと今宮君が塹壕から素早く出ると林の方に向かった。


樋口さんが、二人に弓の道具と鉄パイプを投げた。

二人は素早くそれを取ると走った。

僕も起きようとしたが、井上ちゃんが肩を押さえて止めた。


そういえば水を汲みに行ったにしては少し帰りが遅かった。


気付いてやるべきだったと思うと気持ちがはやった。


井上ちゃんも樋口さんもとにかく今は、二人に任せようと言って自分達も戦闘の準備を始めた。


「三川君!あなたは、内田君の様子を見てなさい!私達は何か起これば動くから。」


三川君は悲鳴が聞こえると慌てて塹壕に入ってきていた。


樋口さんの言い方は有無を言わさない迫力があったし三川君に対しての苛立ちも感じた。


三川君は頷くばかりだった。


僕も三川君には同情の気持ちが少しはあったが今回の戦闘での態度といい今の事といい呆れるしかなかった。


僕は自分が今は動けないのが情けなかったが、とにかく生き残れたのだから傷さえ回復すれまたやれるだろうと希望を持つ事にした。


幸い傷もそれほど致命的ではないようなので今は我慢だと自分自身に言い聞かせた。


それでも、もしもこと美ちゃんに何か起こればと思うと手に汗をびっしょりかいている事に気づく。


< 143 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop