コンビニ砦の戦い(仮題)
今宮君に止められて山本さんは動けなくなり仕方なく座った。
僕には、山本さんの気持ちも分かるし今宮君の気持ちも分かった。
しかし、どちらかと言うと山本さんの苛立ちが良く分かった。
三川君の甘えで誰かがもしも死んだら僕もそういう風に思うだろう。
実行は出来なくても気持ちは分かった。
「けけ喧嘩はいけませんよ。」
おじさんが、急に大きな声でそう言ったので皆が驚いた。
今の光景を見て何か刺激されたのかおじさんは、とにかく仲良くともう一度言った。
山本さんは、煙草をくわえると火をつけておじさんに渡して自分自身も煙草を吸い始めた。
「おじさん、名前は何て言うんだい?俺は山本達夫だよ。おじさんは何て言うんだい?」
「木本研太といいます。歳は五十四ですよ。あの事が起こる前は長島町で酪農やってました。
あの変な連中に家族を殺されました。
その後大きな村が有るって人に聞いて探してましたらあの連中に捕まったんです。
捕まってからずっとあちこちに縛られてて石を投げられたり遊び道具のようにされてました。
二週間程多分捕まってましたね。」
村?そう言えば今宮君も人間が固まって居る場所があってそこをゲツジンが叩くと言ってたなと思い出した。
「ゲツジンだな。奴等の本当の姿を見たのか?今宮君は見てないんだったな。」