コンビニ砦の戦い(仮題)
「生き残った人が他にも居るって事よね。少し希望が出てきたし、会いに行こうよ。」
樋口さんが、明るくそう言うと井上ちゃんが、だるそうに反論した。
「会いに行くって皆で?あそこまで何キロあるのよ。私は、やだからね。」
「そうですね。無理ですよ。道も通れないんでしょう。無理無理。」
三川君が井上ちゃんに賛同したが、こと美ちゃんがきっぱり言い放った。
「私は行く。何とかなると思うし皆が行かなくても行く。」
「まあ、今日は、とにかく寝よう。皆疲れてるから、明日考えよう。」
渡辺さんがそう言うと皆店に戻る。
店のレジ側に男達が寝転がる。
僕の横に山本さん、その横に渡辺さん、少し離れて三川君だ。
反対側に女性陣が寝転がっている。
樋口さんとこと美ちゃんは、ひそひそ楽しげに話しながら横になっているが、井上ちゃんは、離れた所で寝ている。