コンビニ砦の戦い(仮題)
皆で車を見に来た。
「可哀想に。だけど役にたつわね。
窓ガラスの部分をなるべく木で良いから塞ぎましょうよ。
いざとなったら此所に立て込む事を考えたら少しでも破られない方が良いでしょ。
食料とかも最低限積んで置きましょう。
皆が此処にたどり着けるかは分からないけど準備しておくに越した事はないよね。」
樋口さんがそう言う。
皆が此処にたどり着けるか分からない……
確かにそうだった。今度は前回のように上手く行くとは限らないのだ。
木本さんが、それは私がやりましょうと言った。
今宮君は山本さんが行った道を行けるだけ行ってみると言い直ぐにその場を去っていた。
帰ってくると汗をかいていて肩で息をしながら話した。
相当なスピードを使ったのだろうと思えた。
「何ヵ所も地割れや崖崩れが、ありますね。五キロ程降りたんですが、向こう側に行くには僕でも一人では難しいですよ。
向こう側に降りるなら皆の協力が必要ですね。
皆が通れるようにするには人手が少ないから時間がかかりますよ。」
今宮君はそう言うとペットボトルから水を飲んだ。
「分かった。とにかく此処を一つの逃げ場所にしておこう。
木本さん一人で良いかな。」
木本さんは山本さんに大丈夫だと思いますと答える。