コンビニ砦の戦い(仮題)
弓矢を使わないつもりだと何となく分かった。
木本さんが強いから試してやろうという感じを受けた。
ゲツジンにもそういう感情が有るのかと驚いたが、多分間違えて無かった。
ゲツジンは動きやすいように双眼鏡も弓矢も放った。
木本さんが今度はジャブを何度も入れようとするがゲツジンはギリギリで避けていた。
接近しすぎてゲツジンの膝が木本さんのボディを捉えたが浅かった。
僕は見ているだけではダメだと思い近くの石をゲツジンに投げた。
「内田君、一人でやらせてくれ!何処まで出来るの試したいんだ!」
木本さんの言葉に僕は驚いたが、従うしかないなと思いながら余りに危なくなったら突っ込もうと思っていた。
ゲツジンがチラリとこちらを見た。
頷いたように見えたがその目は人間の目とはまるで違った。
しいて言えば爬虫類の目を残酷にしたような感じだった。
ゲツジンが、木本さんにローキックを放つが脚を上げてローをガードした。
しかし、木本さんの顔からは大量の汗が出ていたがゲツジンは全く汗をかいてなかった。
いくら元キックボクサーと言えども年齢的にはとっくに峠を越していたし相手はゲツジンなのだ。
そう思っていると木本さんが右のインローを放った。
完全なヒットにはならなかったが、ゲツジンの右足の内側を上手く蹴った。