コンビニ砦の戦い(仮題)
そう言うと相手に見えやすい広い場所に出ると手を広げた。
矢が一斉に山本さん目掛けて降ってきた。
山本さんは鉄パイプでそれを払いながら樋口さんに行け!!と叫んだ。
樋口さんは走って塹壕に来ると血を止めようと言い何ヵ所か布やタオルで強く縛った。
「井上ちゃん!気持ちよ!このくらいじゃ死なないからね。」
井上ちゃんは笑いながらそうだよねと答えたが、顔色が真っ白だった。
「今出来るのはこれだけよ。とにかく井上ちゃんここで死んでどうするの!このくらいで死んだら馬鹿よ!」
井上ちゃんは僕にも樋口さんにも大丈夫だから戦いに行ってくれと言った。
樋口さんに向かって笑いながら話した。
「大事な人がまた馬鹿をしてるんじゃないんですか?男って馬鹿ですよね。
行って下さい。」
僕も樋口さんも塹壕から出ると走った。
こと美ちゃんに気をつけながら井上ちゃんの塹壕に行ってと大声で言った。
山本さんは、仁王立ちして矢の攻撃を鉄パイプで防いでいたが、肩や脚に何ヵ所か矢が刺さっていた。
それでも動きは止まって無かった。
木本さんも肩から血を流しながら山に向かって矢を放っていた。
その時山の上でドーン!!と爆発音がした。
続けて二回ドーンドーン!!と爆発音した。
「山から火柱が上がりました!!」
三川君が興奮気味に実況してくれた。
相手の矢が一時的に止んだ。