コンビニ砦の戦い(仮題)
樋口さんが山本さんと木本さんにとにかく一時的に撤退よ!!と叫んだ。
山本さんも木本さんも塹壕に向かって走った。
山本さんは脚をひきずっていたし、木本さんも相当苦しそうな顔をしていた。
塹壕に撤退すると山本さんが、上で爆発させたのは今宮君かと呟いて笑った。
そして井上ちゃんの状態を初めて見て眉間に皺を寄せた。
「井上ちゃん皆戻ったぞ。後は今宮君が戻るだろう。大丈夫だ!しっかりしろ!いい女は、そんなに簡単に死なないからな。」
そう言うと木本さんに煙草を出してあげ自分自身も吸った。
三川君もこっちの塹壕に移って来ていて皆の酷い有り様に震えていたが、山本さんから外を観てろよと言われて双眼鏡を持ち直した。
樋口さんが、井上ちゃんの傷口を水で洗いながら脚の傷が深いわと呟いた。
水で洗うととにかく止血するようにまた布やタオルであちこち縛り出した。
井上ちゃんは皆に心配かけてすいませんと謝った。
「それに、最初の頃は色々生意気で申し訳なかったです。
何て言うか世の中こんな物って言うか舐めてましたね。
すいませんでした。」
何度もすいませんでしたを繰り返し出したので意識が混濁し始めたのかも知れないと思った。
「今宮君が戻って来ます!!」
三川君が嬉しそうに言った。