コンビニ砦の戦い(仮題）

今宮君は塹壕にすっと入ると状況を説明した。


「敵はまだ八十人は居ますよ。あの後更に増えましたからね。

それも多分残ってるのは優秀な連中でしょうね。

奴等の火薬を使ってやったんですが今回は、あれが精一杯でした。もう少し残ってるとは思います。」


そういう今宮君もあちこちから血を流していた。


「内田君、お前が井上ちゃんを車まで連れて行け。三川とこと美ちゃんと樋口さんと木本さんを連れて行け。

ここは、俺と今宮君で何とか防ぐ。とにかく反撃を考えるな。隠れろ。」


「そりゃないでしょう！」


樋口さんがやはり噛みついたが、山本さんに頬を張られた。


「井上ちゃんを助けられるとしたら樋口さんあんたしかいないだろう？」


確かにそういう知識があって実行できるのは樋口さんだけだった。


樋口さんは看護師だと言うのを余り言わなかったし過去を語りたがらなかったが看護師だったとはもう分かっていた。


「山本さん、私も入れて下さい。どうせ傷もおってるしやれる所までやりたいんですよ。」


木本さんが、頼んで来た。


山本さんは煙をはくと頷いた。


「内田君。この後のそっちのリーダーは君だ。しっかり頑張ってくれ。正直最初に会った頃はひ弱な兄ちゃんだったが、この間に随分変わったよ。」



そう言うと今宮君にそれで良いかと聞いた。


今宮君は大きく頷き皆さんとにかくありがとうございますと頭を下げて三川君には皆に迷惑をかけないようにと笑いかけた。